公益社団法人 日本作曲家協会(Jacompa)

ソングコンテストグランプリ
ソングコンテストグランプリ

ソングコンテストグランプリ・2017

作曲部門

グランプリ曲決定!

鳥羽 一郎   (日本クラウン)

 今年度の「ソングコンテストグランプリ・2017」は、日本作詩家協会との共催のもと、鳥羽一郎さん(日本クラウン)を歌唱歌手として、1月15日から詩の募集を開始したところ全国から2752作品に上る応募がありました。

 そして4月10日・11日、日本作詩家協会・日本作曲家協会合同のソングコンテスト委員会と日本クラウン(株)の栗田ディレクターによる選考の結果、「千島桜」(作詩・高橋直人)、「瞼の母はしょっぺぇや」(作詩・たてやままさと)の2作品が最優秀作詩賞に決定。この2編の詩を課題詩として5月1日から当協会会員のみならず広く一般からも作曲募集を行いました。

 「千島桜」会員・183作品、一般・110作品。「瞼の母はしょっぺぇや」会員・106作品、一般・59作品。合計458作品の応募がありました。

 8月1・3の両日、当協会会議室において、笹森文彦(日刊スポーツ)、清水 満(産経新聞)、田家秀樹(音楽評論家)の3氏に審査員を依頼。「千島桜」会員13作品・一般7作品。「瞼の母はしょっぺぇや」会員8作品・一般3作品を選び、最終選考は日本クラウン制作スタッフにより行われました。

 その結果、最優秀作曲賞には斎藤 覚氏作曲の「千島桜」と中村泰章氏作曲の「瞼の母はしょっぺぇや」の2作品が決定。そして、日本クラウンにおける編成会議の結果、斎藤 覚氏作曲の「千島桜」がメイン曲に決定しグランプリに選ばれました。

作曲部門 グランプリ

齋藤 覚(協会員)

課題詩「千鳥桜」
作詩:高橋 直人(ソングコンテストグランプリ・2017最優秀作詩賞)

最優秀作曲賞

中村 泰章(協会員)

課題詩「瞼の母はしょっぺぇや」
作詩:たてやま まさと(ソングコンテストグランプリ・2017最優秀作詩賞)

優秀作曲賞

課題詩「千鳥桜」
大坂 貞峯、段 匠、片岡 のりお(協会員)
堀部 光彦(一般からの応募)


課題詩「瞼の母はしょっぺぇや」
小橋 浩司、山口 正光、浜田 清人(協会員)
大嶋 雅昭(一般からの応募、ペンネーム:仲井 一浩)

受賞に寄せて

斎藤 覚
「千鳥桜」作曲:齋藤 覚

 39年前、古賀賞をいただいたことで作曲家協会に入会させていただきました。それ以後、レコード会社、プロダクション、出版社など、各方面に売り込みに歩きましたが「鳴かず飛ばず」。でも、歌を作る事が大好きでやって参りました。

 そして、今回の受賞の知らせ!! ビール大好きの私が、いくら呑んでも嬉しさで眠れませんでした。古賀賞受賞以来、作曲家協会主催のコンテストに毎年応募してまいりました。その都度全力で「自信作」と思って応募して参りましたが、受賞できませんでした。

 私は募集が始まって、1週間後には大まかに自分で納得できる曲は出来ておりましたが、締め切りギリギリまで待ちました。そして10日ごとくらいに見直しました。「ここはこんなメロディーがもっと鳥羽さんに合うのでは?」と思う事もあるかも...と思ったからです。

 結果的に、いつもやっているとおりピアノを弾きながら発声練習をした後、タイピンマイクを胸に付け、自分の歌をカセットテープに録音したものを作曲家協会に郵送しました。来年も無論応募します。


中村 泰章
「瞼の母はしょっぺぇや」作曲:中村 泰章

 毎年、勇気とチャンスをご提供くださる素晴らしい企画をありがとうございます。

 第一線でご活躍の諸先生方を手本と目標にして日本作曲家協会へ入会させて頂き、今年で17年...いつも私に「ガンバレ・ガンバレ」と応援してくれた母も他界して今年で13年、天国から声を掛けられている思いで、今回3度目の応募をさせて頂きました。8月8日に入賞を伝える電話をいただいた時は嬉しさと驚きの気持ちが入り混じり、すぐには実感が湧きませんでした。2日後に郵送されて来た通知と案内を拝見させて頂き改めて喜びを噛みしめる事が出来ました。

 また、8月17日のレコーディングでも初めての貴重な体験をさせて頂き感謝の気持ちで胸がいっぱいです。心より深くお礼申し上げます。

ソングコンテスト選考にあたって

日本クラウン 制作宣伝本部CW制作部 プロデューサー 栗田 尚浩

 最終選考に残った作品はとても印象に残るものばかりでした。アマチュアであれば縛りもなく自由に創作できますが、今回は「鳥羽一郎が歌唱する」という、きっちりと枠組みがなされた中での創作。最終候補の作品は、その中で限界までオリジナリティーを追求したものばかりでした。

 皆さんきちんと「プロの仕事」をしていらっしゃる、と感服した次第です。そうした作品の中で最終的に完成度の高さが最後のポイントになりました。そのメロディーを聴き終えた時に、耳に心に芳醇な感覚が残る、もう一回「この曲を聴きたい」と思わせる作品が最後に選ばれたと思います。

選考にあたって寸評

音楽評論家 田家 秀樹

 「それぞれに難易度の高い詩だなあ」というのが2曲に対しての印象でした。「千島桜」は"シベリア""風蓮湖""国後"と一番だけで3つの固有名詞が出てくる。おまけに「千島桜」です。歴史的背景もある望郷の桜。どの曲もどこにフォーカスを当てるか苦労の跡が見えました。

 その中で高評価を得たのは、情景の見える曲、だったのではないでしょうか。2曲目の「瞼の母はしょっぺぇや」は、全く違うタイプの詩です。どこまで気取らずに泥臭いまでの男の愛情を表現するか。ポイントは、詠嘆的語り口調だったように思います。同じ詩でこんなに違うメロディーが生まれる。今年も楽しい時間でした。ありがとうございました。

産経新聞特別記者 清水 満

 言葉には情景がある。隠されたドラマも見える。音が加わり、歌い手が総仕上げをする。"三位一体"のバランスの良さに聴く者は感銘を受ける。

 「千島桜」の詩には地名が多く出てくる。イメージし易いのか、鳥羽流の王道演歌に通じる作品が目立ち、聴く者をホッとさせてくれた。作品の中には、少々詩の解釈とギャップを感じたが、バラード風、フォーク調もあり、"もしかして鳥羽が歌ったらイメージを一新"...と感じさせられ、興味深かった。言葉と音のコラボ企画、いつもながら作家方々の無限に広がる感性に頭が下がった。

日刊スポーツ新聞社 笹森 文彦

 鳥羽一郎を対象歌手として、「千島桜」と「瞼の母はしょっぺぇや」を一気に聴いた。計300曲近い作品を聴くのは大変だったが、それぞれのオリジナリティーに感心させられた。

 審査の第一は、鳥羽一郎という歌手の魅力を引き出しているか。違う歌手が歌えば、というような曲調も多かったと思う。さらに両曲とも、作曲者が課題詩を明と暗のどちらにとらえているのかを意識した。「千島桜」は景色が浮かぶスケール感、「瞼の母はしょっぺぇや」は普遍的なテーマだからこその斬新さを期待した。

 選に漏れても、別の作品として生かしたいメロディーも多かった。

レコーディング風景

高橋直人 鳥羽一郎 斎藤覚
たてやままさと 鳥羽一郎 中村泰章

審査風景

会員作品審査風景
一般応募作品審査風景

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