オリジナルソング・コンテスト・2015
日本作曲家協会・日本作詩家協会 共同企画作曲部門
グランプリ曲決定!
今年度の「オリジナルソング・コンテスト」は「日本作詩家協会50周年記念大賞」とのコラボ企画「ソングライターコンテスト」としてスタートしました。株式会社テイチクエンタテインメントのご協力のもと、城之内早苗さんを対象歌手に「おちょこ鶴」「七つ橋渡り」の2編(作詩家協会ソングライターコンテスト大賞作品)を課題詩として募集が行われ、167作品の応募がありました。
8月4日(火)、当協会会議室で赤間剛勝、酒井政利、高柳六郎3氏の音楽プロデューサーによる審査で「おちょこ鶴」15作品、「七つ橋渡り」13作品を選び、最終選考はテイチクエンタテインメント制作スタッフにより行われ、みちあゆむ氏作曲の「おちょこ鶴」と南部直登氏作曲の「七つ橋渡り」がグランプリに決定しました。
そしてこの作品は、10月5日(月)「日本作曲家協会音楽祭・2015」(北区 北とぴあ・さくらホール)において披露及び表彰が行われます。
作曲部門 グランプリ
演歌部門:みち あゆむ
課題詩「おちょこ鶴」
作詩:内田りま(ソングコンテストグランプリ・2015最優秀作詩賞)
ポップス部門:南部 直登
課題詩「七つ橋渡り」
作詩:小宮正人(ソングコンテストグランプリ・2015最優秀作詩賞)
優秀作曲賞
課題詩「おちょこ鶴」
山口正光/藤田たかし/豊岡良光
課題詩「七つ橋渡り」
棚橋清志/山田恵範/村田誠一
受賞に寄せて
「おちょこ鶴」作曲:みち あゆむ
暑さ厳しい今年の夏。8月11日夕方、事務局からグランプリ受賞の電話が入りました。何かの間違いでは、と耳を疑いました。
歌が好きで、ずっと夢を描きながら、今日まで続けて来て良かったとつくづく思います。詩の持つ温かさ、情景、そして城之内早苗さんの声質、歌う姿をイメージしながら作らせて頂きました。
お世話になっている諸先生方に良い恩返しになると思います。この受賞を糧にこれからも頑張ります。本当にありがとうございました。
選考にあたって
テイチクレコード制作本部 制作グループ長 佐藤 尚
「日本作詩家協会50周年記念大賞」と「日本作曲家協会音楽祭オリジナルソング・コンテスト」との両協会初となるコラボレーションという一大事業に、私の担当アーチストである城之内早苗をご指名・起用していただき、大変光栄であると同時に、責任の重さに身の引き締まる思いで取り組ませていただきました。両協会のご担当の委員の方から大変な数の応募があったと聞き、両協会会員の皆様の意欲の高さに応えられるよう慎重かつ厳粛な審査を重ねさせていただき、今回の受賞作を最終的に選定いたしました。
選考の感想といたしましては、今回は詩先だったのですが、その詩が自ずと要求するメロディーのありかたに対して、曲は曲で違う形にまとまろうとしているという傾向の作品が多かったように感じます。その中で詩とメロディーの調和がしっかりしていてかつ、今回は城之内早苗が歌うという前提のもと、曲想自体も吟味して最終決定に至った次第です。
今回選ばれなかった作品の中には、歌い手を考えなくてよい状況であれば、着想の独自性に優れたクオリティーの高い作品も何曲かあり、会員の方々の力量の高さを改めて認識させていただきました。このようなコンテストを今後も良い形で継続していただいて、音楽業界の原動力である作品の創作能力が高まっていくことを期待しております。
選考にあたって寸評
音楽プロデューサー 赤間剛勝
対照的な2篇の詩に、多才な作品が集まりました。「おちょこ鶴」は、奇抜なタイトル、表現力の高い作風に、当然のようにほのぼの歌謡が多くなりました。「七つ橋渡り」は、抒情歌謡、フォーク歌謡というとらえ方になりがちですが、ボサ・ノバなどのリズムにのせた独創的な作品もありました。
作者の熱い思いが、どれだけ聞く側に伝えることが出来るかとか、歌手が歌唱力を存分に発揮できる作品なのか...とか、チャレンジ精神旺盛な応募作品を更に期待をしております。
音楽プロデューサー 酒井政利
詩を書く、曲を付けるというクリエイティブな世界は、無限に面白い作業だと思う。詩・曲双方に交流(コラボ)が大切なのはもちろんだが、そこに歌手の個性をどう際立たせるかが重要ポイントになる。
詩・曲・歌手というパズルのピースを埋めるだけでは凡打で敗退しかねない。ベストマッチであれミスマッチであれ、心を射る配分配合がある。
群れるが如くいる歌手の中で唯一の存在にするには、このスクランブル合戦がヒット戦線に繋がっていく。
音楽プロデューサー 高柳六郎
本年も沢山の応募作品を試聴させて戴きましたが、我々選定する側にも大変苦労がありました。何故ならば、特に演歌部門課題詩の「おちょこ鶴」に関してでありますが、詩の持つ全体イメージが付曲に当たって絞り切れていただろうか......と少々感じました。
即ち、主にマイナー楽曲での作品が大勢を占めていた様に思え、例えばメジャー作品で明るく、リズミカルな作品、いわゆる軽快さのある弾む感の作品での創意発想が欲しかった様にも思えました。
ではありますが、楽曲を創る方々のご苦労が深く理解出来、結果としては素晴らしい作品を選ばせてもらったと考えます。
日本作詩家協会・日本作曲家協会 ソングライターコンテスト
「歌作りの原点を」 日本作詩家協会・会長 喜多條 忠
長い道程だったかもしれません。作曲家協会と作詩家協会の会員が、ひとつになって新しい歌を創りあげて世の中に出す。こんな基本的とも言える歌作りが、今まで出来てこなかったのが、逆に不思議にも思われます。
このたび以前からある作曲家協会「ソングコンテスト」と作詩家協会「50周年記念大賞」のコラボ企画「ソングライターコンテスト」として10月5日、作曲家協会音楽祭にて発表、歌唱は城之内早苗さんです。「おちょこ鶴」「七つ橋渡り」の2曲は素晴らしい出来映えで11月18日、テイチクエンタテインメントからリリースされます。やっと歌作りの原点をみつけられた! と思っています。
ソングコンテスト・グランプリ曲の レコーディング風景
8月28日 市ヶ谷 サウンドイン・スタジオにて